🔥 バーベキューで一番むずかしいのは「火力のコントロール」
つい感覚で炭を足したり、逆に火が弱まって焦ったり──誰でも一度は経験があると思います。
その結果、うまく焼けなかったり、使いきれないほど炭を無駄にしたりすることも。
このシートは、これまでの経験と検証をもとに作ったBBQ Connect流の“火力設計目安表”です。
もちろん完璧ではありませんが、「温度を設計する」という考え方を持つだけで、
バーベキューの安定感と再現性は格段に上がります。
現場で迷わないための“ひとつの基準”として、ぜひ活用してみてください。
🔥 Weber 57cm 向け|温度・燃料チートシート
これはBBQ Connectの実運用メモを元にした現場即使い版です。食材の量・外気温・風・蓋の開閉頻度で前後します。最初は目安に、当日の挙動を見て微調整してください。
🖐️ 温度感覚トレーニング(20cm手かざし)
| 耐え秒数 | 目安温度 | 用途 |
|---|---|---|
| 約3秒 | 約250℃ | 強火ゾーン・ステーキ表面焼き |
| 約5秒 | 約200℃ | 標準BBQ火力 |
| 約7秒 | 約150℃ | ローストの序盤・保温 |
| 約10秒 | 約120℃ | スモーク域 |
※ 実際の本体温度計はグレート面より低く出やすいので、体感と併用が◎
🧱 ブリケット(Weber純正 5kg/箱)使用目安
| 使用量 | 重量の目安 | 個数(概算) | 温度帯 | 使用時間 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1/4箱 | 約1.2kg | 約20〜25個 | 約180〜220℃ | 約60〜90分 | 軽食BBQ/保温ゾーン |
| 1/3箱 | 約1.6kg | 約30〜35個 | 約230〜260℃ | 約90〜120分 | 鶏もも・ポーク・焼き野菜・軽めのピザ |
| 1/2箱 | 約2.5kg | 約45〜55個 | 約270〜320℃ | 約2〜3時間 | 厚切り肉/ピザ/スキレット |
| 2/3箱 | 約3.5kg | 約65〜70個 | 約320〜360℃ | 約3〜4時間 | グラタン・ハンバーガー・鋳鉄グリル料理 |
| 1箱 | 約5kg | 約95〜100個 | 約380〜420℃ | 約4〜5時間 | イベント級・ケトル全域の高温調理 |
🌳 オガ炭(箱入り10〜12本=約3kg)使用目安
| 使用量 | 本数 | 使用時間 | 目安温度(蓋あり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 約1kg | 3本 | 約60〜90分 | 約150〜200℃ | スモーク・保温。安定後にチップで香り付け |
| 約1.5kg | 5本 | 約120分 | 約200〜250℃ | 標準火力。焼き野菜/串焼き/魚介など万能 |
| 約2kg | 7本 | 約150分 | 約250〜300℃ | 強火ゾーン。厚切り肉/ピザ/スキレットに最適 |
| 約3kg | 10本 | 約3〜4時間 | 約300〜350℃ | フル火力。ロースト・鉄板焼き・ピザストーン |
🧩 併用レシピ|ブリケット × オガ炭
| 目標温度 | 維持時間 | ブリケット | オガ炭 | セット例 / 置き方 | 備考・補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 約180℃ | 約4時間 | 約12個(着火済) | 約7本(未着火) | ミニオンドーム(オガ炭上にブリケット配置) | 長時間ロースト/プルドポークなど。90分ごとにオガ炭1本追加で安定。 下ベント1/3・上ベント1/2目安 |
| 約230〜260℃ | 約1時間 | 約30〜35個(フル着火) | 約5本(半着火) | 両側2ゾーン構成(中央クールゾーン) | 標準BBQ。鶏もも・串焼き・野菜。温度低下したらブリケット8個で回復 |
| 約260〜300℃ | 約1.5時間 | 約12個(着火済) | 約7本(半着火) | 片側バンク構成(強火ゾーン) | 厚切り肉・ピザ・スキレット料理。オガ炭で持続、ブリケットで立ち上げ |
| 約300〜350℃ | 約30〜45分 | 約45〜55個(フル着火) | 約10〜12本(着火済) | フル火力カノン(石使用時) | ピザ・鉄板焼き・デザート仕上げ。予熱15〜20分、上ベン ト全開 |
| 約150〜180℃ | 約2時間 | 約8個(半着火) | 約3〜4本(未着火) | スモーク構成 | 安定後にチップ投入。魚・ベーコンなど |
🔧 火力調整の目安
| 追加要素 | 温度上昇量 | 持続時間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ブリケット +5個 | +10〜15℃ | 約30〜40分 | 即効性◎(短時間の立て直し) |
| オガ炭 +1本 | +20〜30℃ | 約40〜60分 | 立ち上がりは遅いが持続力◎ |
| 火消し壺再利用炭 +1本 | +10〜20℃ | 約30〜50分 | 補助に便利。再着火しやすい |
🌀 ベント調整(Weber 57cm 目安)
| 温度帯 | 下ベント | 上ベント | 備考 |
|---|---|---|---|
| 低温(150〜180℃) | 1/3開 | 1/2開 | スモーク・保温 |
| 中温(200〜260℃) | 1/2開 | 3/4開 | 標準BBQ |
| 高温(300℃以上) | 全開 | 全開 | ピザ・鉄板料理 |
✔︎ 予熱は蓋閉めで10〜20分。
✔︎ ピザは260〜320℃が焼色・底面のバランス良。26〜30cm生地×2〜3分焼きが扱いやすい。
✔︎ 予備炭は火消し壺で保管→必要時に追い炭が最強。
※ 本表はBBQ Connect運用の経験値メモ。現場でのログを重ねて自分の“基準”にチューニング推奨。
🔥 まとめ|火力を“設計”できると、BBQは格段に変わる
火加減を感覚でなく「設計」で捉えると、バーベキューの安定感は一気に上がります。
それは単に料理の仕上がりだけでなく、段取り、会話、時間の流れまでがスムーズになるから。
炭を制する者は、BBQを制す。
ブリケットとオガ炭をどう使い分けるか——その感覚が身につくと、
バーベキューは“偶然うまくいくイベント”から、“再現できる体験”に変わります。
この目安表が、あなたのBBQがもっと楽しく、もっと自由になるきっかけになればうれしいです。
👉 次の記事では、実際にこの火力を使ったメニュー設計の事例も紹介する予定です。
(グリルゾーンの分け方・ピザプレートの温度管理など)

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